ボーナスは無いけれど…

公務員のボーナスが支給されたとのニュースが流れる度に心がムッとします。そして何故かため息が出るのです。けれど、すぐにイカンイカンとその思いを断ち切ります。お金が入ってこないと嘆くと本当にそうなると聞いた事があるからです。ため息も駄目でした。ため息つく度に幸せも逃げて行くのです。
とは言え、世の中の皆がボーナスで浮かれている頃、決まって我が家はピーピーなのです。6月は臨時出費がかさみ、12月はもう言うまでも有りません。息子も独立して夫と二人きり、それなのに俗なイベントについ乗っかってしまうからです。
夫はフリーランスですので、ボーナスというものを人生一度も経験した事が有りません。私は会社勤めをしておりましたので、それなりのボーナスも頂いていました。それは嬉しかったものです。殆どは借金の返済に回ろうとも、その日は奮発して親子三人でお鮨を囲みました。退職した今となっては懐かしい思い出です。
何時からか、夫の気持ちを考え我が家ではボーナスという言葉は禁句にしていました。私が勝手にそうしていたのです。しかし、当の夫には何の拘りも無かったようなのです。例のニュースが流れた日の夜、「知ってる?ボーナス出たんだってサ」と私に言って来ました。「いいよな羨ましいよ、少しくれねえかなァ」と言ったのです。
その時初めて気付きました。人の暮らしを羨んでいたのは私の方だと。手に入らぬと嘆くより既に手にある物を愛しんだ方が人生は豊かなのです。屈託のない夫に教えられた出来事でした。

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